CASE STUDY

ProJet® MJP 3600 / 消費材

お客様に感動を与える製品開発に3Dプリンターを活用!

株式会社壽屋(以下 ㈱壽屋)は、自社商品であるホビー製品や玩具の開発にあたり、これからのものづくりを見据えてデジタル技術を取り入れ、 2010年に3Dプリンターを導入し、品質レベルと生産効率を大幅に上昇させることに成功しました。 現在では複数台の3Dプリンターを活用しながら商品開発に取り組んでいます。

株式会社壽屋 様

株式会社寿屋様

「CRAFTSMANSHIP」でお客様の欲しいものを作る

IMG_2128.png

㈱壽屋は「CRAFTSMANSHIP」(職人魂)に則って、
フィギュアや模型など、ホビー製品や玩具、雑貨等の企画・製造・販売を行う玩具メーカーです。
当初玩具店として1953年に設立された㈱壽屋は、
現在では量販店やオンラインショップの他、
東京の立川と秋葉原、大阪の日本橋に4店舗の直営店を展開しています。
売り場に来るお客様の声を商品に反映し、世間のニーズに沿った玩具の製作・販売をしています。

店舗には日本のサブカルチャーファンの外国人観光客も多く訪れます。
フィギュアに始まり、箸や製氷皿などの人気アメコミをモチーフにした
ユニークな商品は海外ファンの心を掴んでいます。

今回お話を伺った方は㈱壽屋 生産管理部 原型課の芦沢氏。
壽屋ならではの商品づくりのポイントと3Dプリンターの活用についてお伺いしました。

データと製作人員を有効活用できるツール

IMG_2075.png<原型製作の課題>
・製作時間の削減
・製作人員の拡大

 

「私が入社した8年ほど前は提携工場などでは3Dデータが存在していたものの、
自社においてはゼロベースから3Dデータで製品製作をする機能がありませんでした。
そのため製品原型(試作品)は主にパテやプラ板などを用いた手作業で製作していたのですが、
製作時間や監修時の作り直しなどの問題が大きな課題になっていました。
そこで3Dデータを活用した製作プロセスの活用が検討され始めました。」

 そう語る芦沢氏、データの有用性にいち早く気づいた芦沢氏は、
3Dプリンターを有する外部企業へ作成したデータの出力を委託することで
時間コストの削減を図りました。
しかし見積の取得から発注、出力品の配送など思いがけない部分で多くの時間がかかってしまい、
『データを有効活用し短時間で原型を製作する』という目的はなかなか達成されませんでした。
そのため、「いっそのこと自社に3Dプリンターを導入した方が効率的ではないか?」
と考えた芦沢氏は社内へ積極的に導入を呼びかけました。

「3Dプリンターを導入検討していた8年前から既に、手で作る国内の原型師は少なくなっていました。
かつ特殊な業務な為、若手の新しいクリエイターが続々登場するといったことも望めないのが実情でした、
製作人員の確保も大きな課題だったのです。デジタルという新しい手法での開発インフラを導入することにより、
手原型以外のクリエイターの拡充を図るというのも目標の1つでした。」

そう話す芦沢氏。3Dプリンターを導入するにあたって現状の課題を解決するだけではなく、
より先の未来を見据えた運用も目指していました。

選定のポイントは造形の精密性

松本さん依頼分.png

「どの3Dプリンターを入れようか考えたとき、
主にプラモデル製作の際にデータを活用していたため、
そこでの運用を想定して機種を選定しました。
導入を決めた当時は3Dデータにまつわる業務を私1人で全てハンドリングしていた為、
自分でデータを作って3Dプリンターで出力して…といった一連の流れを
どの機種が一番スムーズにできるかをまず重視した結果、
インクジェット形式の3Dプリンターに焦点を絞りました」

プラモデルの細かい部品を出力するうえで、
芦沢氏は最高レベルのエッジが表現可能な3D SystemsのProJet HD3000に注目します。
当時何機種かあったインクジェット式の3Dプリンターの中でも
ProJet HD3000の造形の細かさは群を抜いていました。
 
「製品を作る以上、数ある玩具メーカーの中でも自社にしかない個性を出さなければなりません。
例えば、剣や銃火器などのパーツはとことんシャープに。
『鋭さ』という個性を持っているのが壽屋のプラモデルだと考えました。
そのため製品のディテールをどれだけ正確かつ細かく再現できるかが大きな選定基準になりました」

<製品選定のポイント>
◎プラモデルの非常に細かいディティールまで再現できる圧倒的なシャープさ
◎人の手が必要な作業が少ないため、後処理などに割く時間が減少

 

3Dプリンターの導入、そして増設へ
~想像以上の効果~

DSC04598.png

3Dプリンター導入の承認を得るため、運用プロセスや想定費用を算出した芦沢氏ですが、いざ導入してみると想像以上にProJet HD3000を活用している状態になったと話します。

「『データでここまでできるのか』と3Dプリンターの有用性が社内に認められ、運用する機会も格段に増え、ProJet®HD3000は常に稼働している状態になりました。データの需要増加に伴いスタッフや出力回数が増えた結果、2台目のProJet® 3500HDMAXを追加導入。そして初代機のProJet HD®3000のリプレースで最新機種のProJet® MJP3600を導入しました。元々データを有効活用したくて3Dプリンターを導入したので、需要が多くなったのは私としては嬉しいですね」

ProJet® 3500HDMAXと最新機種のProJet® MJP3600はProJet® HD3000の後継機です。実際に使用して、これらProJet® 3600シリーズの特長を芦沢氏は驚くほどの細かい造形性能だと感嘆します。

「使ってみて、ProJet® MJP 3600シリーズの最大のメリットは、実際の商品とほとんど違わないものが出力できるところだと思います」

「弊社の実際の商品と3Dプリント品を並べてイベントなどで展示すると、
結構な割合で『3Dプリンターでここまで再現できるんですね』、『こんな綺麗に出力できるんですか?』と驚かれます。
壽屋の個性であるシャープさをここまで綺麗に再現出来るのはProJet® MJP 3600シリーズだけだと思いますね。
通常の後処理のみで特別な加工をせずにこの状態へ持って来れるので、
表現力が抜群の3Dプリンターだと思います」と話します。

導入して実感した大幅な時間コストの削減

3Dプリンターを導入した結果、データを用いた製品開発が可能になり、時間コストは目に見えて大幅に下がりました。

「弊社は中国に提携工場を構えており、3Dプリンター導入前は
『工場へプラモデルの原型を送り、まずはその原型を3Dスキャン等で3Dデータ化を行っていました。
いわゆる『リバースエンジニアリング』ですね。(今でも製品によってはこの手法を取っています)
スキャン後はCADにてパーツの分割や設計を行い、そのCADデータを元に金型を作り成型したものを自社で確認する』というプロセスをとっていました。
当時は社内に3DプリンターはもちろんCADシステム自体も存在しなかった為、量産段階のデータ化された原型を確認する事ができませんでした。
結果、原型を工場に発送し、次の段階を確認出来たのは金型製作後の射出成型された状態のものでした。
しかしそこで初めて量産状態の製品を確認する為、生産都合で形状が崩れてしまった箇所や強度不足や設計不良のパーツなどが多数見受けられ、
こうしたパーツを修正する為には金型から作り直さなければなりませんでした。

文字通り金型は金属をマシニングセンターや放電加工機等で切削して製作していきます。
微修正であれば手加工や簡易的な溶接などで対処できる事もありますが、基本的には修正箇所が見つかれば金型そのものを作り直します。
その時間は数週間~数か月かかる事もあり、時間的コストとして非常に大きな問題となっていました。」 

「そこで3Dプリンターを導入した結果、金型の製作前に量産品に限りなく近い状態をあらかじめ確認できるようになったため、
結果金型を修正する回数を大きく減らすことができました。
製品にもよりますが、今では多くても大体3、4回の修正で量産状態まで持っていくことができるようになりました。」

「ただフィギュア製品の顔の表情や髪の動きといった、ほんのわずかな違いで見え方が大きく変わる部分は今でも手で製作しています。
しかし1から全てを手原型で製作する事は少なくなり、大まかな形状や骨の部分のみデータで作成、3Dプリントを行い、
その出力品に手で加工を加えるといったプロセスを取る事が増えた為、ここでも時間的コストの削減を実現しています。
3Dプリンター導入前からいる手原型師達も多くがデータ原型を活用するようになり、
現在は手とデータ双方で製作を行なっています」 

精巧さを求めるパーツは3Dプリンターを使用し、データで追いきれない有機的な部分は手で原型を製作するという2つのやり方を合わせることで
㈱壽屋の個性が最大限に発揮された製品が完成します。

安心の3Dプリンターの保守

3Dプリンターが世間に広く認知されたのは2013年頃と言われています。
その3年も前から3Dプリンターに着目し現在も使い続けている芦沢氏は、簡単なトラブルであれば自身で兆候や原因を推測し、
原因箇所のみを外せばまだ出力を行う事は可能なのか、
それとも即座に修理依頼をかけなければならないのかが判断できるようになったとのことです。
重症化しそうだと予想したらその段階で保守を担当しているJBサービスを呼んでいます。

「3Dプリンターの保守に関してはとても丁寧に点検し、真摯に対応してくださるので文句なしで素晴らしいです」と芦沢氏は話します。

今後3Dプリンターに望むこと

最後に、今後3Dプリンターで試したいこと、期待していることがあるかお聞きしました。

「パーツを出力するだけではなく、今後は色々な樹脂を使ってパーツ自体の樹脂型を作ることもやってみたいです。
他には、技術の面でまだまだ時間はかかると思いますが、成型品と変わらない表面の美しさを再現できるプリンターが開発されれば、
出力品そのものをお客様にお届けするという新しいビジネスモデルが描けるので想像すると面白いですね。
本当は、Projet3600シリーズの表面再現性や寸法精度などの性能はそのままに、
筐体サイズを電子レンジサイズくらいまで小さくしてもらってお値段50,000円!というプリンターが出てくれればと思っています。

 データを有効活用しようと使われ始めた3Dプリンターですが、㈱壽屋にとって想像以上の効果をもたらしています。
3Dプリンターの発達と「CRAFTSMANSHIP」が合わさったときどんなわくわくが生まれるのか、さらなる発展に期待です。

☆インタビュー中で紹介しましたプラモデルはこちらです!

 →https://www.kotobukiya.co.jp/product/product-0000002168/

 

© KOTOBUKIYA

【企業DATA】 

株式会社 壽屋
設立 1953年1月7日
資本金 4億2,600万円

本社 東京都立川市緑町4-5 壽屋ビル

Web : https://www.kotobukiya.co.jp/

【販売代理店】

株式会社大塚商会大塚商会ロゴ.jpg
本社:東京都千代田区飯田橋2-18-4 
URL:http://www.otsuka-shokai.co.jp/ 

 

エネルギー

エネルギー

消費材

消費材

部品製造

部品製造

建築 / 建設

建築 / 建設

文教

文教

医療

医療

試作 / サービス

試作 / サービス

電気 / 電子 / ハイテク

電気 / 電子 / ハイテク