第1回 「鋳造とは?」

3Dプリンターの活用例として、「鋳造」と組み合わせる方法があります。鋳造とはなんだろう?鋳造とは何がすごいんだろう?鋳造とはどのような方法のモノづくりなんだろう?そのギモン、iGUAZUがお答えいたします。

■鋳造とは?

金属の形を変える方法はたくさんありますが、ring_thum01.jpg
その中の1つで、金属を溶かしてドロドロにし、型の中に流し込み、冷やして型の形通りに変形させる方法
「鋳造(ちゅうぞう)」と呼びます。

鋳造と言えば、自動車のエンジンからアクセサリーまで、様々なものに使われるモノづくりの方法です。

 

 ■鋳造とはどのような方法のモノづくりなのか?

「オリジナルの形を作ろう!」と思い立った場合、どのようにして鋳造を作ればよいのでしょうか?9.274.jpgこれには、「金属を流しこむための型(鋳型:いがた)」と、
「型のための元の形」を使用します。(これをマスターパターンと呼びます)
 
実際に作る手順を追いながら、どの様に作っていくのかを見ていきましょう。

まず、木やロウを削ってマスターパターンを作り、その周りを砂や石膏など、鋳型になる素材で包みます。
次に、鋳型素材で包み込んだものをそのまま高温の炉に入れ、焼いてしまいます。
この時、鋳型素材はそのまま残り、マスターパターンが溶け落ちたり、焼け切ったりしてなくなります。
このマスターパターンがあった場所が空洞になります。
炉から取り出し、マスターパターンで作った空洞に、ドロドロに溶けた金属を流し込みます。
金属を冷やして鋳型を取り除けば、オリジナルの形をした金属が完成します!

鋳造とは?画像.png

■鋳造とは何がすごいのか?

この鋳造、何が良いのでしょうか?
鋳造がない時代は、1つ1つ叩いたり削ったりして作られていたため、
作られるまでに時間が多くかかったり、一つ一つの形が異なる ということがあったそうです。
粘土のような柔らかい素材なら後で形を変えることは簡単ですが、
金属のような硬い素材ではmすこし形を削ったりするだけでもかなりの技術が必要です。
さらに同じ形状をたくさん作る という事を考えると、その技術と手間は図り知れません。
鋳造を行うことで、型さえ作ってしまえば同じ大きさ、同じ形のものを短期間で作ることができるのです。
型によっては1つの金属製品を作るために作られる型、大量生産を前提として作られる型があります。

■さて、ここで問題です。
日本で鋳造して大量生産されたものの中で、最も古い物は何でしょうか?
皆さんも確実に見たことがある「アレ」です。

答えは次回に発表します。

 

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