CASE STUDY

ProJet® MJP 2500Plus / 消費材

キャラクター原型の適時納品を支える
インクジェット方式の3Dプリンター

様々なキャラクターフィギュアの原型(※1)製作、OEM生産・製造を手掛ける株式会社エムアイシーは、2001年からデジタル造形をスタートし、モデリングとともに3Dスキャン、3Dプリンター導入の先駆者として商業原型製作に取り組んできました。

株式会社エムアイシー 様

株式会社壽屋様

専門分野に特化したスタッフと、様々な機材と設備でお客様のニーズに応えたい

イグアス:株式会社エムアイシー様(以下エムアイシー)の主な事業内容について教えてください。

エムアイシー:当社では、大手メーカー様のキャラクター原型を数多く手がけており、カプセルトイから美少女フィギュア、可動フィギュア、メカフィギュア、ヒーローフィギュアなど、様々なジャンルの原型を取り扱っております。営業、モデリング、3D出力、3Dスキャン、仕上げ、シリコン取り、レジンキャスト複製、彩色、デカールシール作成という原型に関するすべての工程を社内で行っておりまして、それぞれのセクションに特化したスタッフと、様々な機材と設備でお客様のニーズにお応えしたいと日々励んでおります。

イグアス:原型はどのような工程で製作されているのでしょうか?

エムアイシー:キャラクター案件がほとんどですので、お客様から頂きました企画書、スケッチ、資料をもとに主にデジタル造形ツールで造形していきます。お客様や版元様のご要望、ご指摘に合わせて造形し、画像上で調整を繰り返します。画像での調整後3Dリンターで仮出力というものを行い、お客様、版元様に実際に立体にて確認をしていただきます。こちらの立体物での承認を受けたのち、より高精細な出力機を用い本出力という製品にするための立体物を出力します。その後、手作業で仕上げ、調整を行いシリコン複製作業に進みます。シリコン型を用いてレジンキャストで複製し、金型用原型とデコレーションマスター(※2)を作成して納品いたします。これらが作業の主な流れにになります。

ProJet MJP 2500Plusの強み

イグアス:ProJet MJP 2500Plusを2台導入されていますが、どのような出力に使用されているのでしょうか?

エムアイシー:ProJet MJP 2500Plusは、お客様や版元様に形状確認をしていただくための仮出力と最終原型用の本出力、そして出力品に直接塗装してデコレーションマスターとするような彩色用出力など、様々な用途で使用しています。

イグアス:ProJet MJP 2500Plusは、紫外線硬化樹脂をインクジェット方式で一層ずつ積層させるMJP(Multi Jet Printing)3Dプリンターですが、精度の高さと仕上がりの美しさのほかにどのような強みがありますか?

エムアイシー:ProJet MJP 2500Plusは、吊り下げ式のようなモデル材と同じ材質のサポートがつかず、熱で溶かすことができるサポートで出力できることが大きな強みですね。吊り下げ式の場合は、出力前の手間もさることながら、出力後にサポートを手作業で除去し綺麗にするために手間と時間が多くかかります。さらに、この作業は作業者のスキルによって仕上げ状態に差が出やすくなりますが、熱でサポートを溶かして除去できるProJet MJP 2500Plusでは短時間かつ一定の品質で出力物をお客様にお渡しすることが可能になります。他にも出力エリアの面積が広く、出力品同士を上下に重ねて配置することもできるため一度に多くのパーツを効率よく出力することができることも強みですね。

吊り下げ式とProJet MJPシリーズの比較

エムアイシー:全面に渡り細かい模様がついているために吊り下げ式でのサポート配置が困難な場合や、入り組んだ形状のため手作業によるサポートの除去ができない場合などでは、ProJet MJPシリーズを使います。
例えば、こちらの例はハンドル以外は一体のパーツとして出力しています。

一体で出力した造形サンプル 内部のサポートを気にせずに造形可能※MJP 3600MAXによる出力物

エムアイシー:ProJet MJPであれば、こういった形状のものを分割せずに出力することが容易にできるので、全体の形状を確認したい仮出力では大変重宝します。これを吊り下げ式で出力しようとすると、多くのサポートを付けなければならないですし、内側のサポートが除去できないということもあり得ます。 ProJet MJPは、基本的にどんな形状であっても(出力範囲内であれば)出力でき、中空の形状でも穴さえあれば中のサポートを熱で溶かして排出することができるので助かります。

イグアス:吊り下げ式とProjet MJPシリーズを比べた場合、手間はどのくらい違いますか?

エムアイシー:吊り下げ式でのサポート配置は手間のかかる作業ですが、ProJet MJPのサポートは下面側全体につき、出力の向きさえ決めてしまえばよいのでサポート配置の作業自体がありません。また吊り下げ式ではつけたサポートを一つ一つ手で除去しなければならないですが、ProJet MJPではサポートを熱で溶かした後、超音波洗浄を行えば除去できますので、機械に収まる分をまとめて処理することができ、手間が大きく違います。
納期に時間的な余裕がある場合でしたら吊り下げ式だけでも対応可能かもしれませんが、遅い時間に依頼が来て、翌日の早い時間にサポート除去済、組立済の出力品を納めなければならないような急ぎの案件には、ProJet MJPでなくては対応は難しいです。

M2R-CLとM2P-CSTの使い分け

イグアス:ProJet MJP 2500Plusの材料としてM2R-CL(以下、クリア)とM2P-CST(以下、クリスタル)を使用されていますが、どのように使い分けされていますか?

エムアイシー:前提としてクリアもクリスタルも前述の仮出力、本出力どちらにも使用していますが、クリアは無色透明かつ溶剤にも強いため出力品に直接塗装する用途にも使用しています。
一方クリスタルはクリアに比べ強度や硬度が高いので尖ったパーツや可動する関節パーツなどの出力に使用しています。またクリアよりも高い解像度で出力することができるので原型用の本出力に重宝しています。

M2P-CSTによる出力物(人物部分) M2P-CSTによる出力物(人物部分)M2P-CSTによる出力物(人物部分)

今後の展開

イグアス:貴社の原型製作にProJet MJP 2500Plusが質とスピード、そして手間の削減という意味でもお役に立てて嬉しく思います。
それでは 最後に、今後の展開をお聞かせください。

エムアイシー:弊社はあくまでもお客様の縁の下の力持ち的立ち位置ですので、お客様に喜んでいただけるような原型を沢山納品していきたいですね。物つくりやキャラクターが好きな人たちが集まっている職場でありますので、楽しみながら沢山造形していきたいと思っております。
そのためには広い出力範囲、高い形状再現性、サポート除去の手軽なProJet MJP 2500Plusは弊社には欠かせない機器です。

イグアス:本日は貴重なお話しをいただき、誠にありがとうございました。

※1 原型:製品や模型、フィギュアなどを量産・複製する前に作られる、最初のオリジナルの造形物のこと。 ※2 デコレーションマスター:最終製品と同じように塗装された、見本用の完成品モデルのこと。

【企業DATA】

株式会社エムアイシー

設 立:1979年
本 社:東京都台東区駒形1-12-14
URL :http://www.mic-jpn.com/company/

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