CASE STUDY

ProJetX60シリーズ / 建築・建設

3Dデータを活用して次世代の土工ビジネスを開拓

土木系専門工事企業の玉石重機株式会社。2009年ごろよりICTに積極的に取り組んでいます。3Dプリンターを使った同社の先進的なICT土工についてのご紹介しています。

建設業

玉石重機株式会社

福岡に本社を置き、九州を中心に土木系の専門工事を行う「玉石重機株式会社」。
同社では積極的に新しい技術の導入を推進しています。
ICT土工を先駆ける同社が、3Dプリンター 「ProJet 660 pro」を導入した経緯やその効果について、
同社代表取締役社長の玉石修介氏・常務執行役員事業本部長の山口孝人氏にお話を伺いました。

 

 

最新の技術を積極的に導入

玉石重機株式会社は、1946年に設立した人力土工を主体とした玉石組が前身となる土木系の専門工事企業です。
日本全体が高度経済成長へ向かう中で、玉石組では多くの仕事の依頼が舞い込み人手不足に陥りました。
それが人力土工から重機械土木工事への大きな方向転換を行った転機でした。

「当時、仕事を受注したいがそれをこなす人手ががいないという状況を経験した事により、少ない人数でも工事を行えるように
重機の導入を進めて合理化を行うようになりました。
それが契機となり、積極的に新しい技術の導入も推進するようになりました。ICT技術についても同じです。いち早く導入し、ノウハウを蓄積しています」

同社では、公共工事の高速道路の新設やダム建設、工場・メガソーラーの敷地造成など、幅広く重機土工を手掛け
ICT技術といった新しい技術で更に成長を続けています。
「工事に合わせて自社で保有している技術や機械を活用し、土木工事に関わるマネジメントまで行っています。
まさに〝ものづくり〟の会社だと自負しています」

国土交通省がICT土工推進を発表。しかし、同社では7年も前からICTへの取り組みを開始

2016年4月、国土交通省はICT活用を建設現場に導入することによって建設生産システム全体の生産性向上を図る 「ICT土工」の推進を発表しました。
これによって調査・測量・設計・施工・検査といった各プロセスにおいて、3Dデータが基準になったのです。

「当社は国土交通省発表の7年も前からICTに取り組み、2014年にはICT土工に必要な技術・ノウハウを修得していました。
その中で、ICTをどう活用すれば、元請け企業やお客様のためになるのか、考えてきました。
3Dプリンターは、そのひとつの解答なのです」 (玉石社長)

これまで土木工事では、紙面に展開されている図面を見て、頭の中で立体的なイメージに組み立てなければなりませんでした。
しかし、より具体的なイメージを組み立てるには、多くの時間と経験を要します。
そこで着目したのが、3Dデータです。
3Dデータを見れば、誰であっても立体的イメージを持つことが出来、それぞれが描くイメージの相違を防ぐ事が出来ます。
たとえば、重機のオペレーターのみならず、ノウハウの蓄積が少ない新人であっても仕上がりのイメージを持つことが出来るのです。
より多くの関係者が共通の正確ななイメージを掴めれば、業務の運営も向上します。

同社では、2013年頃から各種センサーを積んだ無人航空機「ドローン」を用いた測量を開始しました。
測量した情報を元に自社のみで3Dデータを作ることに成功したのです。
「この3Dデータを画面内で確認するだけではなく、実際に見える形で出力できれば、競合他社との差別化になる。
3Dデータをもとに地形の立体造形模型ができれば、業務がもっと合理的になるはずだと考えました」
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3Dプリンターが何をもたらすか、導入前に徹底的に検証

2016年に販売店であるJBサービス株式会社より3Dプリンター 「Projet660 Pro」を導入。
この機器は粉末状の石膏にカラー塗料と糊を塗布し、立体造形を出力する機種です。
同社では測量したデータを元に、ProJet660 Proにて地形の立体造形模型を出力し業務に活かしています。

3Dプリンター導入にあたり、玉石重機では事前に“3Dプリンターを導入することで「どうなるか」”を、多角的な視点を持って徹底的に検証しました。
とはいえ、導入の前提となる「導入できる環境にあるか」の検討は必要ありませんでした。
何故なら、既に自社のみで3Dデータの作成を行えており、3Dプリンターの使用に必要な基礎技術は確立していたからです。
そこで同社は、「実務」で使えるのか、という検討を開始した。

3Dプリンターで作った立体造形模型があれば、口頭での説明や図面よりも具体的なイメージを簡単に共有出来ます。これにより、施工にあたるすべての関係者が完成形を可視化できるようになるはずです。


具体的なイメージを共有できるのは、社員だけではありません。
元請け企業や施工主との打ち合わせなどでも、十分な効果が発揮できます。そして、具体的な仕上がりがイメージできるため、
お互いの理解が早く、より具体的な話をしやすくなります。

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そして、完成形について関係者同士での齟齬が生じにくくなります。その結果、元請け企業や
施工主からの信頼を勝ち得ることが可能となるため、スムーズな受注に繋がる可能性も高い。

「さらに、災害時にも有効活用出来るのでは。と考えました。災害が起きた地形を
立体造形模型にすることで、どう復旧していけばいいのか可視化でき、
どのような対策を施せばいいのかということをその場で立案できます。その結果、いち早い復旧への
貢献も可能となるはずです」

このように、とりまく環境や業務支店を考慮し、3Dプリンターの導入が決定されました。

すぐに表れた、様々な3Dプリンターの導入効果

 

3Dプリンター導入後、その効果はすぐに見られました。

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同社の営業部員から「紙の図面で説明すると、イメージを描いてもらうのにかなり時間が
かかっていたが、模型であればその時間が必要ない。
お客様から〝本当にそれだけの工事が必要なの〟といった疑問を投げかけられても、説明しやすく
なった」という声が上がりました。

「実際、メガソーラーの造成工事では、設計の段階から模型などを使って説明することで、
施工主からの信頼を勝ち得た事例があります」
そして完成したメガソーラーは模型のイメージ通りだったので、施工主とのイメージ差が発生せず
顧客満足度も高かったそうです。
「3Dプリンターによる立体造形模型は非常に有効です。最近では、〝こういうことをしてくれる会社と
仕事をしたい〟と言われることが増えています」
そして、営業部のみならず、関係各部署で業務のパフォーマンスが向上しました。
受注も増え、ビジネスにも大きな役割を果たしているそうです。

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2016年4月に起きた熊本地震の支援にも3Dプリンターが活躍しました。

「災害時はもちろんですが、平時でも工事には危険が伴います。立体構造模型を使い、どこが危険なのか、
それを関係者が把握することで、リスクを大幅に減らせます」
立体造形模型はさまざまな業務に活用され、大きな効果をもたらしています。

さらに、業務以外の効果も出始めています。

 

「模型を作ることで、自社の強みやノウハウを具体的な形で表現できるようになりました。
当社は、専門企業としてものづくりの一端を担っているものの、今までは完成した〝もの〟だけでは
強みやノウハウといった物を表現することが困難でした。
その点についても非常に高い効果があります」 

現在、同社では、ProJet660 Pro3Dが毎日のように稼働しています。
「当社にとって3Dプリンターは、あくまで業務を円滑に進め、差別化を図るための道具です。
実際に、元請け企業や施工主との意思疎通や信頼感の醸成は早くなっています。それによって当社の存在感が高まっていると実感しています」

「現在、立体造形模型は、当社の標準技術となっています。各事業所でもこの模型を使い、技術の理解を進めています。
3Dプリンターによる立体造形模型は、生産管理や設計など、部署ごとに異なる様々な目的で利用されており、万能だと感じています」


確かな経験値を積み上げながらICT土工を推し進めて業績を伸ばしている同社に、業界が注目しています。

 

 

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